自分を大切にしてくれる人だけ大切にする

言葉

自分を大切にしてくれる人だけ大切にする

 この言葉は私が仕事で悩んでいた時、人事考課の中で前職の上司がくれた言葉です。

 私は前職で福祉の仕事をしていたのですが、深く関われば関わるほど人間関係の問題や、合う合わないといったことが出てきます。
 そんな中、当時対応していた利用者から「上から目線で偉そうだ」というように指摘がありました。
 それに対してはきっぱりと「対等な目線で向き合っている」ことを伝えたのですが、利用者は怒って帰ってしまいました。

 対応を見ていた上司は、「対応に落ち度はなかった」というように言ってくれたうえで、「私たちの会社は常に対等な目線に立つことを厳守して業務に臨んでいる。もしそれを上から目線と感じたのなら、相手が卑屈になって自分を下げてしまったから」と教えてくれました。

 翌日謝罪に来た利用者本人からも、「ずっとこの生活が続くのかと思うと不安になって、イライラしてしまった」と直接聞くことができ、私の対応に落ち度はなかったかもしれないが、それを汲み取ることができなかったことを悔やみました。

 福祉を利用する人たちは、大人子ども関わらず、自分でできるはずのことができないもどかしさ、気を使われる恥ずかしさ、そういった負の感情を抱えつつも押し殺していることがあると知りました。

 その感情が先行し、他の利用者への支援でも感情の上下に過敏になってうまくいかない日々が続きます。

 そんな状況が一ヶ月ほど続いた日のことです。

 人事考課面談の中で、上司がくれた言葉が、「自分を大切にしてくれる人だけ大切にしなさい」という言葉です。

 これは、「私を大切にしてくれないならあなたを支援しない」ということではなく、相手に割く気持ちの割合を減らすということです。

 もちろん仕事なので、相手に対して誠実には対応するけれど、家族や恋人、友人のように向き合い続ける必要はない。
 その人のことだけを考える必要ないということでした。

 当たり前のことなのですが、モノではなく私たちの支援を売る特性上、どうしても人が近くなってしまいます。
 学校の先生なんかも同じじゃないかと勝手に考えてはいるのですが、人が近くなる仕事では感情が先行して公平な仕事が難しくなってきます。

 当時の私には目から鱗の考え方でした。

 まだ中々うまくはできないのですが、意識するようになってからは少し心が楽になりました。

 私がもらったこの言葉が、あなたの心も軽くしてくれますように。

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